「明かされた思ひ」

赤城ソウイチ・25歳。彼は悩んでいた。
世間的にみても、これはかなりでかい悩みだろう。
ソウイチ(以下ソ)「う〜ん・・・こんな事、誰にも相談できないし・・・」
ある部屋・・・ミズキ君の部屋のドアの前でうろうろ。
「やっぱりここは、単刀直入に言うべきだよな。変に遠まわしにすると、
気づかないかもしれないし・・・よしっ!」
気合を入れて、ドアをノック。
ソ「・・・ミズキ君?」
こっそり部屋に入るソウイチさん。だめでしょ大人がそんな事しちゃ。
どうやら就寝中の様子。すすすっ、とベッドに近付いて覗き込む。
ソ「・・・寝てるのか〜・・・良かった、いや良くないんだけどなホントは」
手近なイスを引っ張って座る。
ソ「・・・かわいい寝顔だなぁ・・・ここまで無防備だと襲いたく・・・」
さすがにまずいと気づいたか、慌てて言葉を止める。
見てるのに飽きて、ほっぺたをつついてみたり。
ミズキ(以下ミ)「んぬぅ〜?・・・あぁ、ランコはん・・・?なんや事件かいな〜・・・?」
寝ぼけたミズキの言葉に、かなりのショックを受けるソウイチさん。
寝言で言う=夢にまで見るような人=ミズキ君の好きな人!?
誰だランコさんって!?ミルコさんと聞き間違えた、じゃないよな。
ここにはいない人間の名前・・・ひょっとして恋人の名前とか?
・・・有りうる!
そんな・・・ミズキ君・・・恋人がいたなんて一言も言わなかったじゃないかぁぁっ!
心で泣きつつへろほろと部屋を出て行く。
食堂でひたすらぼーーーー。
ユキヤ(以下ユ)「・・さん、ソウイチさん。大丈夫ですか?なんか悩み事でも?」
気がつくと、目の前には屋敷のどこにでも出没すると噂のユキヤ君。
そうだ、ユキヤ君ならミズキ君と同じとしだし・・・
ソ「ランコさんって人の事なんだけど・・・」
言いかけて、知ってるわきゃないか、と呟くが。ユキヤの驚いた表情に、
まさか知ってんのか?!
ユ「ランコさんって・・・何か事件でもあったんですか?」
意味のよく分からないことを聞いてくる。
ソ「まさかユキヤ君、知ってるのか?!」
ユキヤとしては知ってるも何も目の前に本人がいるわけだし。
なんかすごい真剣っぽいからここはからかってやろう・・・
もとい、じらしてやろう・・・じゃなくて。なんてゆーんだこれは。
結局、ランコさんたちの人格にとって最良な、『はぐらかす』という事を
思いついたユキヤ。
ユ「そうですね〜、教えてもいいですけど。その代わり、僕に何かアイテム下さいよ。
さっきから館調べてんですけど取り尽くしたのか1個も無いんですよね〜。
・・・あ、もちろん結晶くれるんですよね?」
『何か』とか言っておきながら結晶くれと言うあたりさすが主人公。
ソ「・・・ユキヤ君、人間、無償の愛が大切だとは思わないかい?」
ユ「そうですね。でもそれはそれ、これはこれ。ギブアンドテイクも
大切ですよ、ソウイチさん」
ユキヤを諭そうとしたのはどうやら間違いだったようである。
しぶしぶ持ってた結晶のうち1つを渡す。
ユ「ありがとうございます〜。で、ランコさんの事なんですが。彼女は」
そこで言葉を区切る。どうごまかすか考えてるのだが。
ユ(『多重人格』であることはほっとけば本人が勝手に気づく物だと思うから
言う必要ないか)
ユ「・・・彼の心の中に存在する人、とでも言いましょうか」
聞きようによってはミズキを妄想癖にするセリフである。
ユ(まぁ、『ミズキ君の』心の中、とは言ってないし、嘘じゃないからいいよね〜)
もちろんこの場合の『彼』とはソウイチさん自身を指すわけだが。
それでごまかされるのかソウイチさん。
ソ「って事は。そのランコ君ってのは実際は存在しない人間で、
ミズキ君はその幻を追っかけてる、ってわけだね!?」
・・・どうやらごまかされたらしい。
ユ「ええまぁ。じゃ、僕はもうそろそろ寝ますのでお休みなさい」
ソ「あぁ、ありがとうユキヤ君。助かったよ!」
いつものさわやかなソウイチさんの笑顔。
どうやら何か思いついたようである。

んでもってミズキ君の部屋の中。
「さてと・・・ミズキ君、ミズキ君?ちょっと起きてくれないか?」
ぼへーっと半分寝てるミズキだが、とりあえず受け答えはきっちりやる。
ミ「・・・ん〜・・・なんやソウイチはんかいな・・・なんかあったんか?」
ソ(てゆーか今からするんだけどね)
何を企んでんだかソウイチさん。
ソ「・・・ユキヤ君からランコ君って人の事を聞いたよ。
でもいつまでも幻を追ってちゃだめだよ?君はまだ17歳だし
現実をしっかりとね・・・」
どうやらランコさんの事をあきらめろと言いたいらしい。
ミ(・・・なんなんや一体?夜中に起こされてなんでわいがランコはんの事で
現実を見ないといかんのや?)
ちょっと起こされて不機嫌なミズキ。
ミ「あんなソウイチはん。わい、幻追った覚えは無いで?人をなんやと・・・」
ソ「いや、もうわかってるんだ。ごまかさないでもいい」
ミ「ごまかすて・・・」
ソ「・・・君には俺がいるじゃないか!いつまでもランコ君なんて幻追ってないで
現実を見てくれ!」
胸のうちさらけ出したソウイチさん。
しかし鈍感なミズキ、言葉の意味する所がさっぱり。
ミ「いや確かにな、現実見るんも大事やと思うけど・・・」
ソ「・・・俺の事嫌いなのか?」
泣きそぉな目で訴える役者なソウイチさん。
それ見てなぜかぐはっとくるミズキ君。
ミ「・・・えと・・・嫌いやないけど・・・」
ミ(ソウイチはんのことは嫌いやないし、あのランコはんの主人格なんや、
むしろ好きやっちゅうねん!)
ソ「ホントか?!そっか、じゃあ俺達両思いだったのか〜!」
ミ「そうやな〜、わいもソウイチはん好きやで?」
ミ(なんかちゃう気もするけど・・・)
そうは思うがあまりに嬉しそうなソウイチさんの笑顔に照れてなんも言えないミズキ。

かくしてここに1組のカップルが成立。終。

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梅麻呂くんありがちょ〜〜〜vv
まさかこんなに早く、しかもリクエスト通りに書いてくれるなんて
思ってもいなかったよ(笑)
照れるミズキが!!っていうか泣きそうなソウイチさんって・・・(笑)
流石俳優!!泣き真似だってお手のものなのね!!(爆)罪な男だ(核爆)
後日談を楽しみに待っております(爆笑)


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